日本は人口の減少と相まって経済力が今後弱まる可能性が否定できません。基本的に日本の経済力を支えた中心的な力は、加工技術力です。「ものづくり」の力が経済を支える体制は地理的特性、資源面などから考えてもしばらくは変化しないものと思われます。山口大学MOTの教育は、次代の日本が世界でしめるべき地位を確保するための人材を育てる試みであると述べることもできます。また、経営的感覚を身につけた技術者や技術を理解する経営者を養成する事は重要な事業です。この教育を山口大学MOTが引き受け、私もその一員としてその試みに参加できることをうれしく思っています。
積水化学工業株式会社勤務を経て、1995年明治大学大学院経営学研究科博士後期課程退学。経営学修士。1995年徳山女子短期大学経営情報学科助手。2004年徳山大学経済学部教授。2007年より本研究科。2014年山口大学大学院理工学研究科システム設計工学系専攻博士後期課程学位取得修了。博士(学術)。日本中小企業学会・日本経営学会会員、東アジア経済経営学会理事、経営史学会理事。著書に共著『コンビナート統合 日本の石油・石化産業の再生』(化学工業日報社)、編著『日本の産業と企業 発展のダイナミズムをとらえる』(有斐閣、第11章)、編著『石油化学産業と地域経済-周南コンビナートを中心として-』(山川出版社、第1章)、単著『地域と企業―山口県コンビナート関連企業を中心に―』(徳山大学総合経済研究所)など。