た 

ターゲティング (ターゲティング)

企業は、市場のセグメンテーションを行なった後、自社の事業および製品が対象にする標的市場を選ぶ必要がある。これをターゲティングと呼ぶ。ターゲティングにより、標的市場が選択されていなければ、企業は、何を行ない、何を行なわないかという、自社の事業および製品の展開のための戦略を策定することはできない。顧客の側からの視点(マーケティングの視点)で考えれば、誰のためのものかがわからなければ、何を行ない、何を行なわなくていいかが判断できないからである。事業や製品もすべての顧客のニーズを満たすことは事実上、不可能である。ターゲティングは、そのために必要になる。

[←先頭へ]


ダイレクトマーケティング (ダイレクトマーケティング)

単一もしくは複数の広告媒体を使って、測定可能な反応ないし取引を場所を問わずに達成するための、双方向マーケティング・システム。テレ・マーケティングや、Eコマースなどのインターネット・マーケティングがこれに含まれる。

[←先頭へ]


他人の特定商品等表示 (たにんのとくていしょうひんとうひょうじ)

人の業務に係る氏名、商号、商標、標章その他の商品又は役務を表示するもの(不正競争防止法2条1項12号)をいう。不正利益を得る目的等で、他人の「特定商品等表示」と同一若しくは類似のドメイン名を使用する権利を取得し、若しくは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為は不正競争行為とされる。

[←先頭へ]


段階保険料方式 (だんかいほけんりょうほうしき)

社会保険方式の公的年金制度の下では、年金保険料を払ってもらい、年金を給付されるまでは一定期間の保険料納付が必要となる。そのため公的年金制度発足後、すぐには受給者が現れず、その後、年金受給者が増加してゆく。このとき年金給付額に必要な年金保険料を低く設定し、段階的に保険料を引き上げ、年金収支がつりあうように設定するような財政方式をさす。

[←先頭へ]


短期 (たんき:short run)

生産設備は変化させず、雇用量や原材料の投入量を変化させて生産量を調整できる期間。

[←先頭へ]


短期金融市場 (たんききんゆうしじょう)

伝統的金融市場のうち取引期間が1年以内の市場取引型の資金取引が行われる場のこと。短期金融市場には、銀行等の金融機関、証券会社、保険会社、一般事業会社、国・地方公共団体、外国人など様々な経済主体が参加している。

[←先頭へ]


知識経営 (ちしきけいえい:Knowledge Management)

特定の個人や部門で持っている知識をノウハウとして蓄積・利用する手法又はしくみ

[←先頭へ]


知的財産 (ちてきざいさん)

人の知的活動の結果創作された無形の成果物で財産価値を有するもの。発明、考案、意匠、商標、著作物、ノウハウ等に代表されるが、有体物や科学的発見、更にはコンセプトまで含む幅広い概念で用いられることも多い。知的財産基本法では、第2条1項で『発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。』と定義されている。

[←先頭へ]


知的財産権 (ちてきざいさんけん)

知的財産を客体(目的物)として法令により定められた権利、及び「不正競争行為」等をキーワードに法律上保護される利益に係る権利、更にはパブリシティ権のように一般的な不法行為概念の醸成で法律上保護される利益として認められつつある権利をいう。従来から「知的所有権」という用法も存在するが、知的財産法は無形の財産的価値を持つ情報を対象物としているため、知的財産戦略大綱(2002.7.3)で「〜所有権」という語句を可能な限り「〜財産権」に統一することになっている。

[←先頭へ]


チャネル (チャネル)

標的市場に到達するためのチャネルは3種類に分けられる。コミュニケーション・チャネル、流通チャネル、販売チャネルの3つである。コミュニケーション・チャネルは、ターゲット顧客にメッセージを送ったり、購買者からメッセージを受け取るためのチャネルである。新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、手紙、電話、屋外広告、チラシ、インターネットなどがこれに相当する。流通チャネルは、購買者に製品の実物やサービスを見せたり届けたりするチャネルである。流通チャネルには、問屋や運輸機関のほか、取引チャネルとしての流通業者、卸売業者、小売業者が含まれる。販売チャネルは、購買者への製品の販売を行なうチャネルである。小売業者のほか、Eコマースなどもこれに含まれる。マーケターにとっては、コミュニケーション、流通、販売の3つのチャネルをどう組み合わせるかが課題となる。

[←先頭へ]


中間判決 (ちゅうかんはんけつ)

当事者間で争点となっている独立した攻撃又は防御の方法について、終局判決に至る経緯を整理するために、訴訟の中途段階で行なう判決(民事訴訟法245条)。例えば、職務発明関連訴訟で、発明の帰属を中間判決で明確に示し、終局判決ではこの発明の帰属を前提に、従業者に支払う相当の対価を判示するという構造になる。

[←先頭へ]


中国経済 (ちゅうごくけいざい)

10億もの人口を抱え、無尽蔵ともいえる低賃金の労働力を背景に、中国経済は急速に力をつけてきた。現在は、付加価値のさほど高くない既存技術に依存した生産が中心であるが、今後の動向には注目する必要がある。

[←先頭へ]


中立 (ちゅうりつ)

課税が個人の労働意欲や貯蔵・投資意欲、企業の投資意欲・生産性を極端に阻害させないような税制をさしていう。

[←先頭へ]


超過供給 (ちょうかきょうきゅう)

ある価格の下で、供給量が需要量よりも多くなっている状態をさす。

[←先頭へ]


超過需要 (ちょうかじゅよう)

ある価格の下で、需要量が供給量よりも多くなっている状態をさす。

[←先頭へ]


長期 (ちょうき:long run)

雇用量や原材料の投入量とともに、生産設備の量を変化させて生産量を調整できる期間。

[←先頭へ]


長期金利 (ちょうききんり)

期間1年以上の資金を貸し借りする場合の金利をさす。

[←先頭へ]


長期国債利回り (ちょうきこくさいりまわり)

我が国が発行する国債のうち、最も発行量が多く中心的な銘柄と目されているのが10年長期国債である。国が発行する長期国債の市場利回りが長期金利の代表というのは、基本的に世界各国とも共通である。この長期国債の売買は銀行、証券会社、機関投資家、外国人など多くの参加者によって行われているが、銀行、証券会社などの業者の間で取引される利回りが最も代表的な金利として指標となっている。長期金利の変動は短期金利の変動とも密接に関係しており、共に経済の動向を知るうえで重要な情報となる。

[←先頭へ]


直接侵害 (ちょくせつしんがい)

他人が、無権限の状態で、業として特許発明の技術的範囲と同一の製品を実施(生産、譲渡、使用、貸渡し等)する特許権侵害のこと。他人が実施する製品と特許発明を比較して、技術的範囲の同一性を判断するプロセスが直接侵害の要となる部分。特許権の効力範囲は、原則として特許発明と同一の範囲(均等を含む)にしか及ばない。この点が、類似範囲の概念を持つ意匠権や商標権とは異なる部分である。なお、例外的に直接侵害を拡張する概念として「間接侵害」がある。

[←先頭へ]


直接税 (ちょくせつぜい)

法律上の納税義務者が最終的に税を負担する者となることを立法者が予定している税をさす。

[←先頭へ]


著作権 (ちょさくけん)

原則として、著作物を創作した者に与えられる財産権としての独占排他権。ここで、「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(著作権法2条1項1号)を指す。複製権、上演・演奏権、上映権、公衆送信権、展示権、譲渡権等々の、著作物利用形態を網羅した権利の集合体である。著作権者は、これらの権利(支分権)を個別に、あるいはまとめて処分することができる。保護期間は、原則として著作物創作時から始まり、著作者の死後50年を経過したときに終了する。映画の著作物は、公表後70年を経過したときに終了する。

[←先頭へ]


著作者 (ちょさくしゃ)

著作物(思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの)を創作した者を指す。著作物創作時に、その著作者に(原始的に)財産権としての著作権と人格権としての著作者人格権が発生する。著作者人格権は、一身専属権として譲渡ができない性格を持つため、管理上の視点から、職務著作の場合に法人が著作者となる「法人著作」概念が認められている。

[←先頭へ]


著作者人格権 (ちょさくしゃじんかくけん)

著作者の人格的利益を保護する権利で、未公表著作物を公表するか否かを著作者がコントロールする「公表権」、実名若しくは変名を著作者名として表示したり、あるいは著作者名を表示しないことをコントロールする「氏名表示権」、著作物やその題号の同一性を保持するための「同一性保持権」の三種類がある。人格的利益であることから一身専属権として譲渡はできない(著作権法59条)、しかし契約等で著作者人格権の不行使を約することは、著作者人格権制度の趣旨を極端に失わない範囲で可能であると考えられている。

[←先頭へ]


著作物 (ちょさくぶつ)

思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(著作権法2条1項1号)。著作権法10条1項に小説からプログラムまでを例示した規定がある。前記、定義の各要件を充足すれば例示されたもの以外でも著作物となりうる。

[←先頭へ]


貯蓄と投資の均等 (ちょちくととうしのきんとう)

国民経済計算において、総貯蓄(貯蓄+固定資本減耗)が総資本形成(総固定資本形成+在庫品増加)と国民経済余剰との和に等しいこと。

[←先頭へ]


直間比率 (ちょっかんひりつ)

直接税収と間接税収との税収比のこと。

[←先頭へ]


通貨危機 (つうかきき)

財政収支の悪化、インフレ率の上昇、対外収支の悪化、外貨準備の低下、実物経済の構造的問題などの様々な要因によって、自国通貨が大量に売りに出され、通貨当局が固定為替相場を維持できないほどのダメージをうける状況をさす。通貨危機と金融危機が同時に生じる場合も多く、「双子の危機(twin crisis)」とも呼ばれる。

[←先頭へ]


通常実施権 (つうじょうじっしけん)

独占排他性はないが、その特許権について適法に実施をする権利(特許法78条)。機能に着目して、慣用的に債権的権利であると説明されることが多い。特許権者がその特許発明の実施を他人が行うことを受け入れることで成立する権利。特許法では、通常実施権成立について三種類のパターンを定めている。1.特許権者が主に契約により他人に通常実施権を許諾する場合で、特許原簿登録は第三者対抗要件に止まり、特許原簿への登録が行われなくても権利を発生させることができる。2.特許法に規定する条件充足により存在を認められる場合(法定通常実施権)。3.公益的理由で裁定手続きという行政行為を通して設定される場合(裁定通常実施権)。

[←先頭へ]


積立方式 (つみたてほうしき)

将来の年金給付に必要な年金原資を、前もって年金保険料で積立てておく財政方式のことをさす。この場合、積立金を有することになる。従って利子率の変動によって積立金が変動し、年金給付にも影響が生じる。

[←先頭へ]


データベース (データベース)

論文、数値、図形その他の情報の集合物で、それらの情報を電子計算機で検索できるように体系的に構成したもの。著作権法は、データベースの中で、情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものだけを著作物として保護する(著作権法12条の2第1項)。この場合に、データベースの「部分を構成する著作物」の著作者の権利に影響を及ぼさないことを確認的に規定している(著作権法12条の2第2項)。例えば、リレーショナルデータベースにおいて、情報の選択又は体系的な構成によってデータベースの著作物と評価することができるための重要な要素は、「情報が格納される表であるテーブルの内容(種類及び数)」「各テーブルに存在するフィールド項目の内容(種類及び数)」「各テーブル間の関連付けのあり方」の点にあるものと解される。

[←先頭へ]


データベースマーケティング (データベースマーケティング)

顧客との接触や取引を目的として顧客データベースなどのデータベース(製品、供給業者、再販業者に関するもの)を作成し、維持し、活用するプロセスのことです。CRMの根幹を成すものといえ、企業は、各顧客ごとに取引履歴、デモグラフィック情報(年齢、学歴、収入、世帯規模など)、サイコグラフィック情報(興味、意見、考え方、意思決定の仕方など)を集め、メンテナンスしながら、データ・マイニングなどを駆使しながら、手持ちの情報を活用します。

[←先頭へ]


データマイニング (データマイニング:data mining)

企業内に蓄積した膨大なデータの中から、意味のある相関関係や有効なビジネスパターンを発見する技術を意味します。企業は、店頭でのPOS やSFA、顧客との電話の通話履歴、Web サイトへのアクセスログ、インターネットを利用してのアンケート調査などのデータを対象に、マイニングツールを使って分析を行なうことで、新しい仮説を発見、構築することが可能となります。

[←先頭へ]


ディビジョンラボ (ディビジョンラボ)

事業部の下に置かれる研究開発部門。事業部の扱う製品に必要な技術の開発を行う。ダウ・ケミカルのようにコーポレートラボとディビジョンラボの両方を持つ場合もある。

[←先頭へ]


低価格戦略 (ていかかくせんりゃく)

低価格の製品を必要とする顧客層を対象とする戦略。この戦略では低価格であることを競争力としている。低価格を求める顧客層は比較的大きい。

[←先頭へ]


テイクオーバータイム (テイクオーバータイム)

ある製品の普及率が10%から90%に増加するまでの時間。テークオーバー・タイムを過ぎるとベンチャー企業参入の機会は無くなるという。

[←先頭へ]


抵触関係 (ていしょくかんけい)

権利としては各々異なる種別であるが、権利客体(目的物)の内容が実質的に重複している関係。例えば、守るべき法益が異なるために、特許発明の審査と意匠出願にかかる審査は別個に行われ、権利客体の内容が同じものが、各々の法律に基づいて適法に重複登録される可能性がある。自動車の車体形状で説明すると、同一形状について空気抵抗を軽減する発明思想に着目すると特許権が、流線型の新規デザインに着目すると意匠権が成立する。この場合も、利用関係と同様に先願優位の原則で権利関係の調整を行う(特許法72条、意匠法26条等)。

[←先頭へ]


定率繰り入れ (ていりつくりいれ)

前年度国債残高の(1/60)を積立てる方法。

[←先頭へ]


定量情報(定量データ) (ていりょうじょうほう(ていりょうデータ))

定量情報(定量データ)とは、数値によって計測、集計、分析が可能な情報(データ)を指す。例えば、製品別やエリア別の売上データは定量情報である。購入者や見込み客の基本的な属性情報(男性/女性、エリア、業種/職業など)も定量情報と考えられる。アンケートなどの選択式の質問項目で得られた情報も定量情報である。定量情報は数値化された情報で、集計・分析作業が容易にできるので、事業的な判断、マーケティング的な判断を行なう上では必要な情報である。反面、定量情報は、すでにあげた例でも示されるとおり、製品の属性や顧客、市場の属性などを示す情報なので、顧客の意識や実際の顧客の購買シーンや利用シーンについての洞察を得ることはできないという面もある。Webマーケティングにおいては、ユーザーのWeb サイトへのアクセス状況を探るログ解析、メルマガのクリック率などの分析などで定量情報を活用することが可能である。

[←先頭へ]


デッドコピー (デッドコピー)

意匠分野では、他人の商品形態をそっくりそのまま真似た商品のこと。不正競争防止法2条1項3号では、最初に販売された日から3年以内の商品形態模倣を「不正競争行為」と定義して、差止請求や損害賠償請求を認めている。その他、プログラム分野ではプログラムが収容されたROM等から不正にデータを抜き出して同様の製品を製作することを指す。

[←先頭へ]


デフレーション (デフレーション)

特定の財・サービスの価格下落にとどまらない、一般的な物価水準の継続的な下落のこと。

[←先頭へ]


デリバティブ (デリバティブ)

「原資産」と呼ばれる株式や債券等の特性を条件にして、そこから新しく派生してできた証券や取引契約のこと。デリバティブによる収益は原資産の価格の変動やその特性に依存して決まるが、デリバティブ自体は原資産のように直接利益を生み出すわけではない。つまり、原資産の収益とリスクを再分配するだけである。金融派生商品とも呼ぶ。代表的なデリバティブには、先物、オプション、スワップなどが挙げられ、年々取引規模は拡大している。

[←先頭へ]


転嫁 (てんか)

法律上の納税義務者が、租税負担を他の経済主体に移し変えていることをさす。

[←先頭へ]


展開戦略 (てんかいせんりゃく)

製品戦略の下位戦略のひとつ。一度開発した製品や技術を活用して、さらに新しい製品や技術を開発する戦略である。展開戦略には市場展開戦略と技術展開戦略がある。

[←先頭へ]


電子商取引 (でんししょうとりひき:electronic commerce(EC))

ネットワークを利用する取引形態。e-コマース。

[←先頭へ]


電子透かし (でんしすかし)

ファイルに通常は分からない情報を埋め込む麦術。主に著作権を保護する為に埋め込まれる。

[←先頭へ]


電磁的方法 (でんじてきほうほう)

電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法のこと(不正競争防止法2 条5項)。

[←先頭へ]


当業者 (とうぎょうしゃ)

その発明の属する技術分野で通常の知識を有する者。仮想的に、当該技術分野における平均的な技術者を設定して、例えばその「平均的技術者でも実施ができるように技術的思想が開示されているか」のような文脈で利用する。

[←先頭へ]


投資意思決定 (とうしいしけってい)

実行可能な代替案の中から、利益が最大になるものを選択すること。

[←先頭へ]


投資の限界効率 (とうしのげんかいこうりつ:marginal efficiency of investment)

設備投資を行ったときに、それから得られると期待される収益のの総額を、設備投資の費用と等しくするような割引率。企業家は現行利率より投資の限界効率が上回っているプロジェクトを実施しようとする。マクロ経済的に見れば、現行利子率と投資の限界効率が等しいところで投資量が決定される。

[←先頭へ]


独占 (どくせん)

ある財・サービス市場における企業が1社だけの状態をさす。新規企業の参入は困難で、当然、独占企業が供給する財・サービスの質は同質である。

[←先頭へ]


独占的競争 (どくせんてききょうそう)

ある財・サービス市場における企業が多数であるが、各企業が自社の財・サービス価格に対して価格支配力を持っている状態をさす。新規企業の参入は容易であるが、各企業が供給する財・サービスの質に違いがある。

[←先頭へ]


独占的通常実施権 (どくせんてきつうじょうじっしけん)

本来の通常実施権制度には、独占排他性概念は含まれていない。しかし、特許権者が他者に独占的実施権を与えることを企画していても、専用実施権の設定までは望まないことがある。その場合に、契約相手以外には実施権を与えないことを約して、通常実施権の許諾を行うことがある。これを独占的通常実施権と呼ぶ。独占的通常実施権者は、独占的通常実施権から由来する権利として特許法100条による差止請求権を行使することはできない。しかし、債権者である独占的通常実施権者は、債務者である特許権者に属する差止請求権を代位(代わりに行使)して、自己の独占的通常実施権を保全することができる(民法423条)と考えられている。また、他人の無許諾実施により独占性が害されて現実に損害が発生している場合は、独占的通常実施権者に対する不法行為として損害賠償請求権が認められる。

[←先頭へ]


特別会計予算 (とくべつかいけいよさん)

国が特定の事業を営む場合、特定の資金を保有してその運用を行う場合などに、この特別会計を設けることが認められている。平成14年度現在、38の特別会計がある。

[←先頭へ]


特許刑法 (とっきょけいほう)

特許法196条から204条までの規定を指し、刑法の特別法としての関係にある。該当条文には過失についての特記がないため、刑法の原則通り故意犯について適用される。また、特許法196条の特許権等侵害罪は5年以下の懲役又は500万円以下の罰金であるが、両罰規定も用意され、行為者を罰するほかに法人に対しても1億5千万円以下の罰金刑を科することができる(特許法201条)。

[←先頭へ]


特許権 (とっきょけん)

自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの(特許法2条1項)である「発明」に与えられる独占排他権。自己による実施・他者への実施認容による収益確保という権利の積極的活用。そして、権利侵害者に対する、差止請求権・信用回復請求権・損害賠償請求権・不当利得返還請求権が認められている。特許出願後、新規性や進歩性などの実体審査を経て特許原簿に設定登録されたときに権利が発生し、原則として特許出願日から20年で終了する。また、権利を維持する年金支払いを行わないことで、早期に権利を終了させることもできる。

[←先頭へ]


特許侵害訴訟 (とっきょしんがいそしょう)

特許権や専用実施権を軸に争われる訴訟で、特許発明との同一性判断を出発点に、差止請求権、損害賠償請求権、不当利得返還請求権、信用回復請求権の主張が行われる事が多い。

[←先頭へ]


特許請求の範囲 (とっきょせいきゅうのはんい)

一般に「クレーム」と呼ばれている部分で、特許出願願書
に添付される書類に記述される。請求項に区分して、請求項ごとに特許を受ける発明を特定するために必要な事項のすべてを記載する。技術的範囲判断時に基本資料となる部分であることから、

@特許を受けようとする発明が明確である。
A請求項ごとの記載が簡潔である。
B発明の詳細な説明に記載したものである。
C経済産業省令で定める方式で記載されている。

ことが要求される。
また、ある請求項に記述された発明と他の請求項に記述される発明が同一であっても良い。例えば、上位概念で発明を記述した請求項がある場合に、同一発明で特定部品の素材を特定した下位概念の請求項を記述して発明思想を具体的に明確化することができる。更に、二以上の発明であっても、定められた技術的関係を有することで発明の単一性が認められる一群の発明であれば、特許請求の範囲に各々の請求項で記述することができる。

[←先頭へ]


特許発明の技術的範囲 (とっきょはつめいのぎじゅつてきはんい)

特許侵害の要は、特許発明の技術的思想と対象製品に利用されている技術的思想を比較した同一性判断である。当該判断は、自社製品開発に先立つ特許調査等でも同様。特許発明の技術的範囲の基本判断資料は、願書に添付した特許請求の範囲に記述された文言(特許法70条1項)である。更に、特許請求の範囲に記述された文言の参酌資料として、願書に添付した明細書の記載や図面、出願時の技術、出願途中の経緯、侵害時の技術等を加えた総合的判断が行われる。

[←先頭へ]


ドメインネーム (ドメインネーム)

この法律において「ドメイン名」とは、インターネットにおいて、個々の電子計算機を識別するために割り当てられる番号、記号又は文字の組合せに対応する文字、番号、記号その他の符号又はこれらの結合をいう。

[←先頭へ]


トラッキングストック (トラッキングストック)

特定の事業部門や特定の子会社の業績・価値と連動するよう設計された親会社発行株式の一種である。米国では1984年にゼネラル・モーターズ社が初めて発行したのち、大企業を中心に発行例が見られる。対象となる事業部門や子会社に対する支配権を維持しつつ、トラッキング・ストックを発行・公開することで、埋もれていた企業価値を顕在化させることを目的としている。また、資金調達や企業再編等の手段としても利用されている。

[←先頭へ]


Wordsworth - Version2.6.0 (C)1999-2002 濱地 弘樹(HAMACHI Hiroki)